この記事はソフトウェアテストのカレンダー | Advent Calendar 2023 – Qiita 12月10日の投稿です。
とある会社のコミュニティでソフトウェアテストの勉強をしようという話が上がったので、「マインドマップから始めるソフトウェアテスト」の読書会を開催しました。
今年はこの話をします。
※ 「10回の中でそれぞれの参加者で違いはあった?」を追記
この本を選んだ理由
今回の読書会の参加者がソフトウェアテストの初心者が多かったので、最初から最後までの全体がわかって、なおかつ、厚い技術書だと挫折しちゃいそうでした。
目標を以下の3つに置きました。
- ソフトウェアテストってどんなことするのか?を知る
- 技術書を読み切って、自信をつける
- なるべく手を動かしながら、勉強したではなく、実務でやってみようと思える
そうすると、マインドマップを利用したワークショップもあった「マインドマップから始めるソフトウェアテスト」に決めました。
後付けですが、Kazu Suzukiさん達が作成した「ソフトウェアテストの読書マップ」をみても初級や全体像等々を学べるとあったのでより安心して取り組みました。
(なんでそんな心配をしたかというと最初に手にする本の選定でそのあとどうなるかが変わりやすいので、結構慎重になっていました)
進め方
基本的にはオンラインで実施しています。
- 節やステップのどこまで読むかを皆に共有する
- そこまで読む
- 私が皆を当てて、感想や質問を言う
- 私が適宜、解説を言う 必要に応じてホワイトボードをカメラで映してます
基本的にはこれを繰り返して、1時間くらい読書会をやるって感じです。
誰か質問あるかを聞くと皆が言いにくいので私が当てます。大体順番に当てます。当てる人は 1名~2名のときもあれば、全員に当てるときもあります。どういうときに使い分けるかと言うとソフトウェアテストの根本に関わるChapter1「ソフトウェアテストって何?」は皆から感想を貰っています。感想を言ってみることに慣れてもらうというのと、考えてみると言うのが大事だと思っているからです。
※ この読書会の参加資格は本を用意することとしているので、音と目で内容を掴んでいくことができます。
第1回を始めてはや1年。全10回くらい実施。
最初に始めたのは、2022年の11月でした。終わったのは半年後くらい。
節やステップごとに読み、メンバーが感想を言ったり、私が解説したりと読み進めていきました。
小話1:途中で気がついたんですが、メンバーが毎月新規に入ってくるので、第一回のメンバーが進んだところからの参加は難しく、最初から始める「カエルの歌(輪唱)」が始まったのは予想外でした。(2023年12月現在、火水木木で輪唱をしています)
途中でワークショップを挟みながら、ソフトウェアテストに関わる過去の事例やソフトウェア開発に関わること、私自身の失敗例やメンバーの悩み事や困っていることとかも含めてやっているので、牛歩になる会もあります。
この「マインドマップから始めるソフトウェアテスト」をベースに「テスト観点を語る夕べ」でやったことを混ぜ込んでワークショップにしているので、親和性は高いのです。そろそろ改善してもいい気がする。
テスト観点を語る夕べ
Chapter10まで読み終わった時の話
読書会でやっていくと大体読み終わるのに半年くらいかかります。
途中で参加できなくなったりするので、完走率は50%〜60%くらいですが、完走した感想としては「一人では読みきれなかった」が圧倒的に多く、それ以外にも「テストって打鍵するだけだと思っていたが考えることが多い」「実際にやってみるといろんなことを理解する必要がある」「最初は胡散臭かったけど、いろんなつながりが見えた。全体を理解するのに役立った」がありました。
丁寧にやるChapterは?
Chapter1「ソフトウェアテストって何?」のChapterに注目します。最初が肝心っていうのもありますが、どうやってテストを理解してもらうかなぁとか考えて喋ることが多いです。躓くChapterでもあります。情報が多くて整理整頓に苦労している印象です。
みんなが躓くChapterとしては
躓くというか感想が薄くなりやすくなるのは3つくらいありました。
- Chapter1:V字モデルあたりから急にソフトウェアテストの話が出てきて、漢字の羅列が続き始めるとみんなの感想が急に薄くなったりします。しかし、そこを乗り越えるとグッと深く読み始めて感想を聞く私としても楽しくなっていきます。
- Chapter2:マインドマップを利用した情報整理に慣れておらず、最初は深く潜れないと言った悩みを聞くことがあり、普段使いするためにはどうすれば良いのかっていうのは大事ですね。これは読書会中に解決することは稀でこれからも頑張ってねと伝えています。
- 第Ⅱ部:この本が題材にしているのは、「負荷テスト」であり、初心者には想像がつきにくく最初は「???」となっていることが多いです。「人気チケットを取るときにサイトが重くなるよね」という話をすると理解が進んだりするので、最初は私も説明が大変でどうしてこれを選んだのかと思う日もありましたが、何回かやってみると実は理にかなっていると思い始めました。
10回の中でそれぞれの参加者で違いはあった?
ありました!
- 全員に聞いたほうが、参加者間の中が良くなりやすかった
- 感想が1回で管理できるのは3~4名くらい。それ以上になるとなんかうまく行かないと感じた
- 5名以上のときは離脱率が多かった
- 対面で一回やった参加者達はスムーズで、感想だけじゃなくて、質問も多くなった
- ちょっと遅れて入ったときに皆ミュートのチームとワイワイ喋っているチームがいた
- メンバーにコミュニケーションが得意な子がいるとスムーズだった
読書会をやるモチベーションは?
火水木木でやっているんですが、毎回違う人と話ができるのがとても良くて、何がわからないのかどこがわからないのかっていうのが、私にとって新鮮でチームへの還元もできるのでそれがモチベーションになります。
たまにこんがらがりますが、どこまでやっているかをメモしながらやっておけばなんとかなります。
最後に
読書会をやるに連れて、皆が同じ感想にたどりつかないのが面白いです。
毎回喋ることが固まらない。このチームだと今のタイミングでこの話をしようとか調整はある程度してます。
この本を補足しながら、やるのがちょうどよいです。全部本に書いたらめっちゃ厚い本になって皆が読みにくくなっちゃう。
今年も残り少し! 体調に気をつけながらやっていきましょう♪
それでは、なそがお送りしました!
小話2:この進め方に味をしめた私は、別の本でも読書会を始めています。
その本は「Scrum boot camp」です。スクラムの原理原則が学べてよい本です。
月曜日にやっているので、月火水木木になっています。